脳神経外科のご案内

ご挨拶

脳科学を基盤とする脳神経外科学の発展を目標に

琉球大学医学部脳神経外科学教室を代表し、ごあいさつ申し上げます。

初代 六川二郎教授(1975-1997)、2代 吉井與志彦教授(1997-2009)の後を受けて2009年6月に着任しました。
「脳科学を基盤とする脳神経外科学の発展」を目標に教室運営を行う所存です。
私の臨床・研究・教育に関する考えを述べさせていただきます。

石内 勝吾
臨床

脳腫瘍の蛍光診断やPET,MRSによる生物学的解析を基盤とした新しい手術法の開発を行っています。基礎研究から得られた新しい生物学的知見を臨床の現場に翻訳し、新規治療開発と臨床研究を積極的に行う予定です。
悪性脳腫瘍に対する放射線治療に関連しては、照射増感性の遊走阻害剤をX線と併用し重粒子線単独治療を凌駕する治療法の開発を目指しています。
患者さんの気持ちを斟酌し、十分な情報提供と合意に基づく治療を心掛けます。

研究

疾患に関する本質的な理解を促し、根本治療につながる研究の推進を目標としています。脳腫瘍、血管障害、高次脳機能解析、神経幹細胞の生物学的解析などをテーマにしています。基礎研究に限らず、臨床研究も積極的に行います。研究はBench(実験室)と Bedside(病室)をつなげるものが原則です。大学院生は脳科学の手ほどきを受けることで、一生涯学問をし続ける態度を養うことが目標です。

教育

真の学問とは、未解決の問題に対して、自ら創造した新しい考え方を世界に示すことと考えています。また世の中でもっとも難しいことは、他者の考え方を変えることだと思います。科学論文を書く目的はこの方法を学ぶことです。自分では当たり前と思っていることでも、なかなか正確に相手に伝えるのは難しいものです。レフリーの指摘する問題をどう処理するか、レフリーが自分の提示した仮説を否定するようなら納得させ考えを変えさせなければなりません。若い大学院の時代に自ら考えることを学び、頭脳の柔軟さを身につけ他者に対しても、自らの新しい考えを納得させることができるような研究者を育てることが目標です。真の学問のできる医師を育てたいと考えています。

教室の沿革

初代 六川二郎教授(1975-1997)

昭和55年12月に琉球大学保健学部助教授として着任し翌56年12月に琉球大学医学部附属病院教授、昭和59年4月に医学部脳神経外科学講座の初代教授に就任された。
その卓越した指導力と情熱を持って教室を主宰し、教育、研究診療とくに地域医療の充実に尽力され腫瘍、血管障害、てんかん、定位脳手術をはじめ数多くの分野で優れた業績をあげた。その教室員の多くが現在沖縄県内の基幹病院の指導者として活躍している。

代表論文:1) Surgical treatment of epilepsy.
Jiro Mukawa. The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology 45:154-164,1991.
2) Clinical observation in man:Forel-H-Tomy and its place in epilepsy.
Dennosuke Jinnnai and Jiro Mukawa
Epilepsy and the reticular formation: the role of the reticular core in convulsive seizure,pp 163-191 Alan R.Liss, Inc. 1987

2代 吉井與志彦教授(1997-2009)

平成9年琉球大学医学部脳神経外科教授に就任した。高気圧酸素療法を併用した放射線治療、ハブ毒の脳腫瘍治療法への展開、脳外科疾患患者における詳細な高次脳機能評価の解析と脳機能重視の治療法の模索など優れた業績を残した。専門であるグリオーマの治療・研究のみではなく平成18年―平成20年 琉球大学医学部医学科長を併任し文科省「琉球大学医学部離島医療人教育プログラム」専門部会長として離島・へき地医療の解決にも指導力を発揮した。

代表論文:1) Intercapillary distance in the proliferating area of human glioma
Yoshihiko Yoshii and Kohei Sugimaya
Cancer Research 48:2938-2941,1988.
2) Phae II trial of radiotherapy after hyperbaric oxygenation with chemotherapy for high-grade gliomas
K Ogawa, Y Yoshii et al. British J of Cancer 95:862-868,2006
3) Cognitive function of patients with brain tumor in pre- and postoperative stage
Yoshihiko Yoshii, Daisuke Tominaga et al. Surgical Neurol 69:51-61.2008

3代 石内勝吾教授(2009―現職)

平成21年6月1日付けで琉球大学医学部脳神経外科教授に就任した。脳科学を基盤とした脳神経外科学の発展を教室の目標に掲げ臨床と研究の双方向性発展を目指している。PET, MRSを用いた非侵襲的な画像解析に基づくバイオロジカル・モニタリングの術中ナビゲーションへの応用や悪性脳腫瘍に対する新規治療剤の開発、重粒子線の生物学的解析を行っている。

主要論文:1)Blockage of Ca2+-permeable AMPA receptors suppresses migration and induces apoptosis in human glioblastoma cells.  Ishiuchi S, et al. Nat Med. 2002 8:971-8, 2002
2). Ca2+-permeable AMPA receptors regulate growth of human glioblastoma via Akt activation.
Ishiuchi S, et al.J Neurosci. 27:7987-8001, 2007

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